MVの再生回数も1億回を突破し、ダサかっこいい曲として注目を浴びているDA PUMPの「U.S.A.」。
この記事では、サビの「いいねダンス」の大元である世界的な流行「シュートダンス」について詳しく紹介します。
シュートダンスって何?
シュートダンスと聞くと、ジャズダンス、ロックダンス、ブレイクダンスのような「ダンスのジャンル」のように思えますが、実はそうではありません。
シュートダンスの起源は、2017年7月に公開された、アメリカのヒップホップアーティスト BlocBoy JB(ブロックボーイ JB)の「Shoot」という楽曲のMVになります。
足を蹴り上げるようなモーションから「シュート」と名付けられたように勘違いしがちですが、シュートダンスの「シュート」は元ネタの曲名「Shoot」に由来しています。
MVを1曲通して視聴してみると分かりますが、オリジナルのシュートダンスは振り付けですらなく、また特別にフィーチャーされたシーンでもありません。
しかし、この特徴的な動きがアメリカの若者を中心に注目を集め、インスタやYoutubeに素人のモノマネ動画がアップされ始めます。
爆発的に広がるきっかけになった時期は諸説あるようですが、アメリカで圧倒的な人気を誇るカレッジフットボールにおいて勝利チームが「シュートダンス」を披露したのが一つのトリガーになったと言われています。
同時期に「ZaeHD」というファッションブランドが公開したシュートダンスの動画は、オリジナルMVと同じくらいの再生回数まで伸びています。
この動画のように、歌詞中の「Shoot Shoot」に合わせてシュートダンスを踊る、というのが一つのパターンとして定着しています。
現在でもシュートダンスは世界的に流行しており、
といったハッシュタグと共にSNSで大量の動画が投稿されています。
また youtubeで「Shoot Dance」と検索する とすでに1000万本以上の動画が存在しており、毎分ごとに新しい作品がアップロードされ続けています。
アイスバケツチャレンジ、マネキンチャレンジ、ピコ太郎のPPAPのような一つのムーブメントが起きているわけですね。
シュートダンスの振り付けが大流行中!
こういった流れの中、J-POPやK-POPにも「シュートダンス」を取り入れた楽曲が次々登場しています。
冒頭で紹介したとおり、そもそもオリジナルのシュートダンスは「振り付け」ではないので、グループごとにそれぞれアレンジ、魅せ方で個性が出ています。
まずは「いいねダンス」として日本中を席巻中のDA PUMP 「U.S.A.」。
ハロプロ風のコールが入ったリリースイベントも大注目。
U.S.A.とハロプロの関係、コールができるまでを詳しく解説そして、ドーム公演も決定しているLDH系列の若手 GENERATIONS from EXILE TRIBEの「F.L.Y. BOYS F.L.Y. GIRLS」。
実はDA PUMPの後輩であるw-inds.は一足早くシュートダンスを取り入れた曲を発表しています。
トレンドに敏感なK-POPでもシュートダンスは大流行中で、PENTAGON、NCT 127、WINNERなど枚挙にいとまがありません。
一部のファン同士では振り付けがパクられた、うちのほうが先だった、などと不毛な議論が繰り広げられているようですが、この記事で紹介したシュートダンス流行の経緯を踏まえればそれがいかに馬鹿げた言い争いであるかが分かりますね。
DA PUMPにせよGENERATIONSにせよ、曲のリリース前から「海外で流行っているシュートダンスを取り入れた曲」、ということをちゃんと公言しています。
ちなみに、BlocBoy JB本人はたくさんのシュートダンス動画を喜んでシェアしており、真似されることに関しては基本的にウェルカムのようです。
このツイート↓は、人気ゲーム「Fortnite」にシュートダンス風のモーションが実装されたときのもの。
Fortnite 😂 🍇 #SIMI pic.twitter.com/uONfMubyxp
— BlocBoy JB (@BlocBoy_JB) 2018年5月2日
また、日本が「カモンベイベー アメリカ」で盛り上がっている中、奇しくも海外で話題を独占しているのが Childish Gambinoの「This is America」というこれまたアメリカを題材にした楽曲。
こちらは脳天気なU.S.A.とは真逆で、人種や銃といったアメリカが抱える問題をセンセーショナルなMVで表現した社会派の作品となっており、わずか1ヶ月で再生回数が2億回を突破しています。
この「This is America」のMVにもシュートダンスが登場します。
スポーツ選手とシュートダンス
シュートダンスは、よく「hype」という単語と共に紹介されます。
「hype」は「盛り上がる」という意味のスラング。
現在、シュートダンスは盛り上がっていることを示すジェスチャーとして一世を風靡しており、プロのスポーツ選手たちもこぞってシュートダンスを披露しています。
まずはアメリカで一番人気のプロスポーツ NFL。
NBAでは名門ボストン・セルティックス、そしてセルティックスを破ってNBAファイナルに進出した世界一のバスケットボール選手 レブロン・ジェームズも。
MLBでは、5号ホームランを放った日本の大谷翔平選手もチームメイトに促されてシュートダンスを披露しています。
この流行は海を渡り、イングランドの名門サッカークラブ マンチェスター・ユナイテッドの公式アカウントにもシュートダンスの動画が存在します。
この動画の登場人物は、2018年のロシアW杯を制したフランス代表のポグバ、そしてベスト4に進出したサッカーの母国イングランド代表のリンガード。
リンガードはロシアW杯で得点を決めたときにもシュートダンスを披露していました。
また陸上100mの世界記録保持者 ウサイン・ボルトも、現在所属しているサッカークラブの試合でシュートダンスを踊っています。